page.11『一』

5人の刑事達の前に姿を現したL。自己紹介する彼らに向かってLはいきなり「バーン」と指を突き出し、不用意に名前を出さないよう警告する。顔は聞いていたが、名前が必要とは聞いていないと松田が疑問を口にする。
夜神局長によると、名前がわからない、または名前を間違えて報道されていた大物犯罪者のすべてが死を免れていることから、そのような推測があったそうだ。松田はまだ納得していないようだが、Lは携帯を置いて部屋に入るよう言う。そしてこれから自分のことを「竜崎」という名で呼ぶことを提案する。

隣室の席についたLと刑事たち。報道規制をして犯罪者の名前を伏せたらどうかという松田の提案に対し、Lはそんなことをしたら一般人が殺されると語る。「キラは幼稚で負けず嫌い…私もそうだから分かる」、と。最初にテレビでキラを挑発したとき、彼はためらうことなく死刑囚を殺した。
そしてキラが日本の関東に潜伏していると言うと、日本の犯罪者を中心に殺し始め、FBIを消すときは関東の犯罪者ばかりを殺した。キラはこちらの挑発にひるむことなく寧ろ強気で挑発し返してくる、稀にみる負けず嫌いだ。
報道規制で犯罪者の名前を隠したら、「罪の軽いもの罪のないものでも殺す、世界の人間が人質だ、悪いのはおれじゃない、俺にさからい凶悪犯を隠す貴様らだ」と考え、暴挙にでる可能性があるのでそれはできないとLは言う。

むしろ、マスコミは別の方法で利用しよう、とLは提案する。幸い、FBIをはじめ、各国警察は自国内での捜査ならまだ協力してくれるという。それを利用して、例えばマスコミに偽のニュースを流す。内容は「FBI殺しにアメリカ激怒、世界各国から1500人の捜査員導入」キラは外にいるものすべてが敵に見え、精神的に追い詰められ何らかの反応を起こす。
Lの提案に刑事たちは興味を示した。さらにLは自分の推理を続ける。「単独犯、前の捜査本部の情報を得ていた、殺しに必要なのは顔と名前、死の直前の行動をある程度操れる」以上のことを頭に入れた上で次の話を聞いてくれ、とLは語る。FBIが入国したのは12/14、刑務所で囚人が不審な死をとげたのが12/19、そしてFBI全滅が12/27、12/19の死はテストであり、その日までにキラはFBIの存在に気付き、これを始末するべくテストを行ったと考えられる。27日にはテスト結果を利用し、捜査官全員に顔と名前の入ったファイルを持たせこれを殺すことに成功した。

これは誰のファイルを見たのか分からなくする必要があった証である−逆に言えば、FBIの誰かとかなり接近した、ということ。FBIの遺体はすべて都内周辺で発見された。一方、12/19〜27の間、都内周辺で指名手配犯、前科者、罪の疑いがかかっている者、少なくとも23人が心臓麻痺で死んでいる。これは明らかにキラの従来のターゲットと違う。つまりキラがFBIと接触するため利用した犯罪者の痕跡を隠すため、他の人を巻き添えにした可能性が高い。
更に、テストから実行まで日が空いているのも、FBIにより多くのものを調べさせ自分を隠すためと考えられるが、キラはあきらかに12/14〜12/19に調べられた側にいる。そして何らかの方法でファイルを入手した捜査員のうちの誰かと接触をした。不審な23人とFBI捜査官との接点を調べ、彼らの足取りを追うことで、そこに何らかの形で接触したキラの影が見えるはず。推理を語るLに少数でも捜査はできる、と希望をもち始める刑事たち。

Lは最後にこう言った。「顔を出したこともFBI12人を犠牲にしたことも負けです。だが、最後は勝ちます。見せてやりましょう、ここに集った命懸けの人間で、正義は必ず勝つということを」
いきあがる捜査陣たち。それでは、「この中にキラはいない」ことを明らかにするために、一人ずつお話をさせていただきたいのですが−刑事たちは協力を約束するのであった。
窓の外を眺めるLは考える。これであと一つ決定的なものがあれば… そんなに焦ることもないのだろうか…いやここで逃したら…何かひとつ…
一方のライトも自室にて自分の行動を見返していた。何かひとつでも新事実が出てきたら命取りになる。……何かひとつ
その頃、新宿地下街「CAFEEL」の前にたたずむレイの婚約者の姿があった。レイはあの日新宿に行くと言っていた。その日に駅周辺で罪がないといってもいい4人の人が心臓麻痺。そして……バスジャック。偶然ではない。キラは心臓麻痺以外でも人を殺せる……これはもう、ひとつの事実!彼女の足の向かう先、そこはキラ事件捜査本部だった。

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