page.13『秒読』

ライトは決意した。推理の過程がどうあろうとこの女の握っている事は真実。この情報が警察に渡れば警察は、あっという間にキラ=夜神月の見解にたどり着く…始末するしかない!

そしてライトは思考する。警察庁の中で会話したときはカメラに口が映らないようにしてある。あの映像から僕の口を読む事はできない。それに監視カメラというのは防犯用で、そこで騒動が起きない限りスルーされるものだ。従ってこの女が今死んだり事件に巻き込まれたりしなければ、警察がカメラを観る事はまず有りえない。

立ち止まるライトを振り返る照子。その線で早く調べるべきだと思えてきたと言うライト。ライトはメモをとるふりをしてデスノートの切れ端を取り出した。関係のない質問をしながら、「間木照子 1月1日午後1時15分から48時間以内に自殺する」とライトはノートに記す。婚約者の死という自殺の動機も十分にある。…そう考えているライトをリュークが笑っている。

よければ自分が警察に言伝すると申し出たライトに、照子は「一日中本部に人が戻らないとも思えないし、あなたの話を聞いて、早く直接伝えるべきだと思いました」、と丁重に断りをいれ、警察庁に戻ることを告げた。

そして二人はゆっくりと歩き出す。しかし1時15分を回ったのに女に異変は無い。午後1時17分…ライトは焦り出した。死因に自殺と書くだけで有効なのは刑務所で実験済み、死の状況もこの範囲なら操れる事は何回も実証してきた…では何故?

その時脳裏をよぎったのはリュークの笑み。ライトはリュークの笑い方の違和感から、女が偽名を使っているのではないかと推測する。「そうだ、レイが死んだのはIDを見せた為だとこの女は信じている!!だから素性を明かさない様に行動してるんだ!」

困ったことになった。しつこく名前を聞き出そうとしても怪しまれる。何故偽名を使っているのが分かったのか、照子に不審がられる可能性は高い。ライトはふと父親から電話がかかってきたらこの女に取り次ぐ約束になっていたことを思い出す。急いで電源を切るライト、動揺は止まらない。

名前を確認する方法を改めて考え直す。「ハンドバッグ…ポケット…どこかに免許証や身分証明になるものは絶対持っている。いざとなったら力尽くで…。」しかしライトは考え直す。「いや、周りに人はいる。騒ぎになることはできない。つい10分前、監視カメラに映ってしまっている事を忘れるな…人気のない所に…どこに?どういう理由で?この警戒心の強い女を?」

焦るライトに目の取引を持ち掛けるリューク。しかしライトは拒絶する。「こんな女ごときの為に残りの寿命を半分にしてたまるか。いや取引自体一生してたまるか。邪魔するな黙ってろ死神!!」そんなライトに照子は話し掛けるのだった。「まだあなたも警察庁に用が?あとは一人で大丈夫ですから…」やむなく「わかりました…」と答えるライト。

一方、ホテルでは、Lが「この中にキラはいない」と断言していた。あるトリックを用意していたが、そのトリックを仕掛ける気すら起こらなかったらしい。そのとき、Lの携帯に電話が入る。ワタリからのようだ。「我々の携帯は切っておく様に言っておいて…」と内心ムッとする松田。

部屋に入ってきたワタリはコートを脱いでいた。初老の温厚な紳士といういでたちの彼は、捜査陣に偽造の警察手帳を渡す。宇生田は警察が偽造証を使うのはどうかというが、夜神局長はじめ多数の意見はこの手帳を使うのもやむなし、とのものであった。

場面は戻って路上。ライトに礼を言って一人警察庁に戻り始める照子。そしてライトは考える…
「リュークが目の取引を言い出した事からもあの女が偽名を使ったのは間違いない。そしてこのままではすぐに僕に容疑がかかる…女が警察庁に戻るまで約5分…考えるんだ…5分以内で名前を知る方法を」

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